★★★★⭐︎⭐︎⭐︎ 人事の企み / タイプの違いを理解し、成長と儲けの階段を作り直す

【ポイント】

1.経営を動かす原動力:ロジック、データ、事例、具体策+解りやすさ

2.非ホワイトカラーの一般人材確保こそ企業活動の要諦

3.組織風土の5軸:①周囲との関係:競争⇔協調、②思考の方向性:革新⇔伝統、③判断の基軸:情緒⇔理性、④評価の重点:行動⇔思考、⑤仕事への姿勢:スピード⇔緻密さ

4.状況設定型面接(Situation Setting Interview;SSI)

5.入職適性と業績:相関0.4が限界⇔16%の説明

6.職務適性より会社との相性

7.マレーの28の社会的欲求

8.敗者復活にはマッチング、最終確認にはスクリーニングがマッチ

9.キャラ立て法としてのPeak1, Bottom1

10.逆転の発想でブルーオーシャン作戦

11.良い階段とは能力アップに加え、会社の儲けのレベルゲージにもなっていること

12.アプリとOS、個人差と年代差によるType A,B,C

13.日本型の問題はスペシャリストAや、ハイパフォーマーBに自由な給与・待遇改善ができず競り負けること

14.大きな方向性(コンテクスト)と個性尊重によるコンティンジェンシー型LDP 

15.次世代リーダー育成の本質は「複雑な課題を解く力」

 

【感想】

シリーズの中では別冊の方がよく纏まっているように感じたが、著者の特に強調したい部分は、繰り返されることでよりよく消化できてくるように思う。理解を深めて自分のスタンスを改めてアップグレードしたいものだ…really...

 

★★★★★⭐︎⭐︎ 世界一速い問題解決 / 縦横質問で網羅し、重要・高効果問題に高実現の策をとる

【ポイント】

1.個人問題:70分、他部署巻き込み問題:3日、全社問題:3ヵ月

2.10分で問題の背景を洗い出し、20分でゴールを設定し問題を整理、30分で問題の全容を見える化し真因を突き止め、10分で解決策を出す

3.ゴール設定3つの秘訣:①期限を明確に、②誰がやるかを明確に、③イメージを具体的に

4.情報収集6つの方法 ①ヒアリング ②行動観察 ③稼働分析 ④ブレスト ⑤アンケート ⑥問題解決ワーク

5.データ分析3つのコツ ①比較 ②割合 ③変化 

6.問題整理4つの方法 ①対立軸 ②計算式 ③プロセス ④フレームワーク

7.全体像を出す2つの質問 ①「問題の原因を1つ挙げるとすると、それは何か?」 ②「その原因が解決すれば、この問題はすべて解決するか?」

8.なぜは①解決策が見えたとき ②解決できないものに到達したとき ③これ以上は価値がなさそうなとき に止める

9.問題は重要度×効果で、解決策は効果×実現可能性で優先順位付け(3×3or4×4)

10.ヒト・モノ・カネ・リスクに囚われるジレンマ

11.部門間の協力が進まないのは1つのテーマでしっかり議論していないことによる情報共有不足が最大の原因

12.流れ:①テーマ・ゴール設定 ②問題の洗い出し ③2つの質問で原因の追究 ④問題の優先順位付け ⑤解決策の洗い出し ⑥解決策の優先順位付け ⑦解決策の実行

13.ワークショップ5つの心得 ①全員対等 ②経営・マネジメントへの指摘歓迎 ③遠慮せず本音で率直に ④自分の意見をはっきりさせるよう努める ⑤議論に集中する

14.議論の5つのルール ①違うテーマの話をしない ②当てられたら発言する ③フルタイム参加する ④反対がなければ賛成とみなす ⑤発言は簡潔に 

15.難しいテーマは200個の原因を洗い出す。

 

【感想】

縦横質問は、私が知る限り一番シンプルで効果が強力な問題解決法だと思う。もちろん問題起点のアプローチだし、集合知に寄ったスピード重視の方法ではあるけれど、誰でもすぐに使える、非常に実践的なメソッドである。

 

★★★★⭐︎⭐︎⭐︎ 世界最高のチーム / 心理的安全性の下に価値観の問いで気づきを促す

【ポイント】

1.心理的安全性とは「自分らしさを発揮しながらチームに参画できる」実感

2.能力のピラミッドL1:従順→勤勉→専門性→主体性→創造性→L6:情熱

3.メンバーのパフォーマンスに最も関係しているのはマネジャーの言動

4.優秀なマネジャーの特性 ①よいコーチ ②勢いづけてマイクロマネジメントしない ③メンバーの健康と成果に強い関心 ④生産的で成果主義 ⑤よき聞き手で活発にコミュニケーション ⑥キャリア形成を手助け ⑦はっきりしたビジョンと戦略 ⑧アドバイスできる専門的技術・知識

5.コーチの基本質問 GROW Goal: 望んでいること、目指していることは何か? Reality: 状況はどうか? Option: どうするのがよいか? Will: どうしていくか? 

6.生産性の高いチームの特性 ①心理的安全性 ②信頼性 ③構造が明瞭 ④意味を見出している ⑤社会に影響をもたらすと考えている

7.愚痴を要望に、気づきを促し建設的な選択肢を増やす。

8.よい雑談:人生を変える価値観ベース(>ファクトベース)の7つの質問 ①仕事を通じて何を得たいか ②なぜそれが必要か ③何を以ていい仕事をしたと言えるか ④なぜいまの仕事を選んだのか ⑤去年と今年の仕事はどんな風につながっているか ⑥一番の強みは何か ⑦どんなサポートがいま必要か

9.自己認識→開示→表現→実現→自己効力感

10.Whyはファクトベースだと非難的だが価値観ベースなら有効

11.人生で一番感謝していることは? 人生のターニングポイントは?

12.世界共通の変化 ①モノづくりから仕組みづくり ②利己主義から社会貢献 ③クローズドからオープン ④KPIからOKR ⑤ピラミッド型からツリー型 ⑥計画主義から学習主義 ⑦プレイングマネジャーからポートフォリオ(最適な組み合わせ)マネジャー ⑧鵜匠型から羊飼い型

13.共感のワーク:目を見て話す

14.モチベーションの構造 Purpose:意味があるのか? Mastery;新しいことを学べるのか? Autonomy:選択肢が増えるのか?

15.Situational Leadership: SkillとWillのマトリックス 委任する、励ます、手を取る、指揮する

 

【感想】

GoogleのTipsは各所で紹介されているが、本書のメインはマネジャーからの価値観ベースの質問にあるように思う。「チームの運営」という点では、これをベースにしつつ、より集団的・戦術的なフレームや、メンバーの段階に応じた別のアプローチのセットも必要だなぁとやりながら感じる。考えてみると西洋のアプローチは1 on 1がベースで、本当に「集団」という感覚は弱めなのかもしれない。

 

(星4以上が推奨ですが独断と偏見によることご承知おきください)

 

★★★★★⭐︎⭐︎ ザ・ゴール2 コミック版 / 関係を図示で明確にし小変化で全体を満足させる

【ポイント】

1.思考プロセス

2.対立のクラウド

3.ネガティブ・ブランチ

4.UDEによる現状ツリーで何を変えるかハッキリする

5.因果関係を明らかにして「常識」を構築するのは簡単ではない

6.部分ではなく全体を最適化する いろんな事象をつないで全体で考えたほうがうまくいく

7.コアを見つけ出し大きな問題を小さな変化で解決する

8.DEによる未来実現ツリー

9.現在から未来へつなぐ移行ツリー 新しい現実・要望・行動

10.障害とそれをかわす中間目標をはっきりさせる前提条件ツリー

11.企業のゴールは、現在から未来にわたってお金を儲けること、従業員に安心で満足な環境を与えること、市場を満足させること

   企業とは本来「株主」「従業員」「顧客」のすべてを同時に満足させる

 

【感想】

コミック学習系で一番のお気に入りシリーズ。全体最適は私の信条と言っても過言ではない。当たり前のことは理解することも実践することも決して容易ではない。しかしそこに到達する道筋はある。西洋の問題解決法の中でもTOCの持つ独特の切れ味は本物だと思う。こういうバリューを生み出したいものだ。

 

(星4以上が推奨ですが独断と偏見によることご承知おきください)

 

★★★★★⭐︎⭐︎ イシューからはじめよ / バリューのためにイシューを起点に更新し続ける

【ポイント】

1.悩まない。答えが出る前提の下に考えを組み立てる

2.バリューのある仕事:答えを出す必要性の高い問題にどこまで明確に答えを出せるか

3.イシュー特定の5つのアプローチ ①変数を削る ②視覚化する ③最終形をたどる ④「So what?」を繰り返す ⑤極端な事例を考える

4.イシューからはじめるアプローチ ①イシューの見極め ②イaシューの分解 ③ストーリーライン ④絵コンテづくり ⑤メッセージづくり

5.ストーリーラインの2つの型(ピラミッドストラクチャー)

  空・雨・傘 と WHYの並び立て

6.定量分析の3つの型 比較・構成・変化

 

【感想】

中盤以降はいわゆるコンサルの一般的な型であるが、やはりタイトル通りイシュー起点を最大限強調していることが本書の価値だと思う。個人的には、この知的問いにある種の感銘を素直に受けつつ、東洋出身者としては、この系譜とは異なるアプローチをビジネス界で確立したいものだと思うところである。

 

(星4以上が推奨ですが独断と偏見によることご承知おきください)

 

★★★★⭐︎⭐︎⭐︎ プロジェクト進行の技術が身につく本 / 1枚のフレームで自他の認識と理現の差を鎮める

【ポイント】

1.プ譜:①獲得目標、②勝利条件、③中間目的、④施策、⑤廟算八要素

2.手順前後で理想と現実のギャップ、集団作業の混乱を鎮める

3.コブラ効果に注意

4.企画→要件定義→設計→製造→テスト→検収

5.未知の未知の探索が最大の危険予知

6.要件定義の3点:①整理整頓、②具体化、③死角を探る

7.メンバー全員がチームの全体像を考える

8.理想と現実の間を行き来し、本当にやりたかったことを実現する

9.キックオフの3点:①手順と予定、②役割認識、③想定外の対処

10.プロジェクトチームのプ譜:①判断基準が明確、②権限が付与されている、

  ③マイクロマネジメントしない、④不利な状況でも情報共有できる関係性

 

【感想】

実践的でわかりやすくプロジェクト進行の方法が紹介されていて、繰り返し読み返したい。ただプ譜というツールのフレームは個人的にはあまりぴったり来ない。

 

(星4以上が推奨ですが独断と偏見によることご承知おきください) 

 



世界をつなぐグラデーションアプローチ仮説

Ver.1.0

自由と調和のために

 

1. 概要

 個人と世界の自由と調和を向上するアクションのメタ形態として、グラデーションアプローチが有効であると考える。

 グラデーションアプローチとは、

正誤、白黒のように二元化されやすい概念、あるいは強い境界線によって人や情報の循環が阻害されている状況に対して、そのインターバルにグラデーションのような段階や比率、水準を設けることである。

 既にこれは多く実践されている、ある意味で言わずもがなのアプローチであるが、その抽象的なメタ形態を認識して、未だ自由と調和の観点で改善が必要な具体的場面で適用することに意義があると考える。

 

2. 既に実践の多い例示

A. いわゆるダイバーシティの理解において

 ダイバーシティの理解は、単に色んな人がいるということではなく、自分もまた相対的な座標にある1点である、という自己中心性からの脱却を含むと考える。性別、障害なども完全な二元化ではなくその間を認識することで理解が進む。

 

B. よりよい予測と意思決定のために

 現実世界はチェスではなく、ポーカーである、というのは「確率思考」の言葉であるが、不確実性を受け入れ、成否いずれか、ではなく、成功の確率がおよそ何%であるのか、という認識はゲームの世界だけでなくビジネスでも人生でも成功する確率そのものを押し上げる。

 

3. 更なる実践を期待する例示

a. 学術分野

 学術分野は未だ敷居を互いに(内と外から)高くしてしまっていると感じる。副業ブームの現代だが、もっと学術分野を儲かるか儲からないかを別として副業とする人が増えることは、個人の生きがいと、分野の加速的発展を促すものと強く思う。

 もちろんCertificatedは重要なことであり、ただでさえ情報の溢れる世界に情報量が増えること自体に価値があるというわけではない。

 しかしこの世の学術対象など無数にあり、それぞれに価値があることを考えれば、従事する人はいくらあっても足りないくらいだ。

 ダイバーシティと同様に単に増やせばいいというものではない。それはまさしく自由と調和のバランスの話で、依然境界線(のようなもの)や集約するシステム、リテラシーの普及といった調和力を持ってまさしく「色は調う」わけである。

 

b. 職業分野

 1つの会社の中でも、もちろん会社を跨ぐ際も、その組織を跨ぐという行為には、不可逆的な面が持たれることが多い。ある意味では覚悟を問う形になっているが、結果的に世界で依然、やるせない気持ちを持つ人が少なくなかろう現状を思えば、よりその境界線を緩くして活性化したい。具体的には社内であればインターンシップのようにトライアルで他部署、あるいは役職を経験してみることであり、社外であれば副業、兼業の容認となってくるであろう。

 依然社外に関してはセキュリティや労働法規の面で厄介さがあることは認めざるを得ないが、社会的にこの方向性に対する合意が発達することを願う。

 

そんなことで?

 私は勝手にロックスターになり、勝手にお坊さんになり、勝手に組織を起こし、勝手に研究を進める、のだけれど、

 この勝手をある程度の社会ネットワーク性を持てるようにしたい次第である。

 みんなが研究者で、アスリートで、クリエイターで、あり得る世界。ある意味でYou Tuberの動きもそういう流れだが、エンタメや対人コンサルテーション、投資に偏った個人の発展より、もう少し本業を活かしたソリッドな分野でみんなが活性化する方向にしたい。